産後うつ病治療薬ザルレソが世界で初めて承認
米国食品医薬品局(FDA)は3月19日、成人女性の産後うつ病(PPD)の治療薬として、静脈内注射(IV)、一般名ブレキサノロン(Brexanolone)、商品名ザルレソ(Zulresso)を承認した、と発表した。
ザルレソは、特に産後うつ病用として、FDAが世界で初めて承認した薬である。Therapeutics,Inc.が開発、申請し、承認を得た。
ザルレソを60時間に渡り連続投与
産後うつ病は、妊娠中にその症状が始まることがあるが、出産後に発現する主要なうつ病である。
他のうつ病と同様、悲しみ、興味の喪失、快感を感じる能力の低下(無快感症)を特徴としており、認知障害、無価値だと思う感情、罪悪感、自殺念慮などの症状を示す。
ザルレソの有効性は、2つの臨床試験で証明された。
重度のPPD患者を、ザルレソとプラセボをそれぞれ60時間連続静脈内に注入するグループに分けた。もう1つは、中程度のPPD患者に対し、同様な臨床試験を行った。
ザルレソは、初回注入終了後、うつ症状の改善においてプラセボより有意性を示した。また、4週間追跡した結果、どちらの患者群に対しても、ザルレソの方がプラセボよりうつ病評価尺度が優れていることを示した。
臨床試験における副作用は、眠気、口渇、意識喪失、紅潮などであった。
ザルレソは、認定された医療施設でリスク軽減戦略(REMS)プログラムに基づき、医師監視のもとでのみ投与される。
患者は、突然の意識喪失や緊急の自殺念慮や行動など、治療の危険性についての説明を受け、医療施設ではこれらの影響が監視される。
(画像はFDAのHPより)

FDAのニュースリリース
https://www.fda.gov/