飲酒量低減薬「セリンクロ錠10㎎」を医療機関向けに発売
大塚製薬株式会社とデンマーク・コペンハーゲンに本社を置くH.ルンドベックA/Sは3月5日、アルコール依存症患者における飲酒量を低減する治療薬「セリンクロ(C)錠10mg(一般名:ナルメフェン塩酸塩水和物)」を、全国の医療機関向けに発売した、と発表した。
心理社会的治療との併用が条件
アルコール依存症は、多量な飲酒を繰り返し、飲酒行動の制御が困難になる疾患で、健康だけでなく仕事や家庭生活にも大きな支障をもたらし、社会的・経済的影響も大きい。
最新の診断治療ガイドラインは、最終治療目標が断酒を達成しさらに継続することとし、飲酒量低減治療を断酒への中間的ステップあるいは治療目標の1つと位置づけている。
「セリンクロ錠10㎎」は、アルコール依存症患者が飲酒の1~2時間前に服用することで、オピオイド受容体調節作用により飲酒欲求を抑え、飲酒量を低減する薬剤である。
日本では、国内初のアルコール依存症における飲酒量低減薬として、2019年1月8日に承認された。薬価は、10mg錠で296.40円。
欧州では、2013年承認され、販売されている。
同剤は、アルコール依存症患者の精神・身体症状、意思を総合的に判断し、治療目標を飲酒量低減にすることが適当、と判断された場合に投与される。
心理社会的治療が主体であるため、服薬遵守と飲酒量の低減を目的とした心理社会的治療との併用と、低減治療の意思のある患者に対してのみ使用すること、が条件となる。
(画像は大塚製薬株式会社のHPより)

大塚製薬株式会社のニュースリリース
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