AIは子供のスピーチからうつ病を検出できる
米国バーモント大学(University of Vermont、UVM)は現地時間5月6日、AIは子供のスピーチからうつ病を検出できる、と発表した。
80%の精度で内在化障害の子供を識別
子供の約5人に1人は、「内在化障害」(internalizing disorders)として知られる不安やうつ病に苦しんでいる。
しかし、8歳未満の子供は、自分の感情的苦痛を明確には表現できないので、大人は子供の精神状態を推測し、子供に潜在するメンタルヘルス問題を認識する必要がある。
実際には、心理学者や両親からは見逃されているため、8歳未満の子供の大多数は診断が未確定である。放置しておくと後の人生で薬物乱用や自殺の危険性が増大する。
UVMの研究グループは、3歳から8歳までの71人の子供たちが即興で3分間の物語を話し感想を述べるという、ストレスや不安を感じさせることを目的としたTrier-Social Stress Taskと呼ばれる心理社会的ストレステストを実施した。
また、子供の内在化障害を特定するために確立された方法、構造化された臨床面接(a structured clinical interview)と親アンケート(parent questionnaire)を使って診断された。
さらに、子供のスピーチを音声録音し、AIの機械学習アルゴリズムを使用して統計的特徴を分析し、それらを子供の診断と関連付けた。
その結果、80%の精度で、内在化障害の診断を受けた子供を識別することができたので、使用した機械学習アルゴリズムが、子供の診断に非常に有効であることが分かった。
また、このアルゴリズムはわずか数秒の処理時間で結果を得ることができた。
今後は、音声記録できるスマートフォンのアプリを活用し、臨床で使用可能な音声分析アルゴリズムを発展させ、スクリーニングツールを開発することであるという。
(画像はニュースリリースより)

バーモント大学のニュースリリース
https://www.uvm.edu/