ルラシドンの国内製造販売承認を申請
大日本住友製薬株式会社は7月31日、「統合失調症」および「双極性障害におけるうつ症状の改善」を適応症として、ルラシドン塩酸塩(一般名ルラシドン)の国内製造販売承認申請を行った、と発表した。
フェーズ3試験で有意な改善を示す
大日本住友製薬が創製した非定型抗精神病薬ルラシドンは、ドパミンD2、セロトニン5-HT2A、セロトニン5-HT7受容体に対しては親和性を示してアンタゴニストとして作用し、セロトニン5-HT1A受容体にはパーシャルアゴニストとして作用する。
しかし、ヒスタミンH1とムスカリンM1受容体に対してはほとんど親和性を示さない。
ルラシドンは、統合失調症治療剤として、2010年米国、2012年カナダ、2013年スイス、2014年欧州・オーストラリア、2016年台湾・ロシア・シンガポール・タイ・香港、2017年ブラジル・UAE、2018年マカオ・ベネズエラ、2019年中国において承認されている。
双極1型障害うつに対する追加承認についても、米国・カナダ・ロシア・ブラジル・台湾で取得済である。
今回の国内申請は、統合失調症を対象としたフェーズ3試験(JEWEL試験)と双極I型障害うつを対象としたフェーズ3試験(ELEVATE試験)の結果に基づくものである。
JEWEL試験では、統合失調症患者478名を対象に、多施設共同、プラセボ対照、ランダム化、二重盲検比較試験を実施した。その結果、主要評価項目である投与6週間後の陽性・陰性症状評価尺度および副次評価項目である投与6週間後の臨床全般印象評価尺度が、統計学的に有意な改善を示した。
ELEVATE試験では、双極I型障害うつ患者522名を対象に、多施設共同、プラセボ対照、ランダム化、二重盲検比較試験を実施した。その結果、主要評価項目である投与6週間後のMADRSが、統計学的に有意な改善を示した。
(画像は大日本住友製薬のHPより)

大日本住友製薬株式会社のニュースリリース
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