ドライアイと抑うつの関連
順天堂大学の研究グループは3月27日、Apple社のリサーチキットから開発したiPhone用アプリケーション「ドライアイリズム(R)」を用い、インターネットを通じてクラウド型大規模臨床研究を実施した結果、ドライアイの自覚症状が重症化するほど抑うつ症状を併発することを明らかにした。
正常の3.29倍抑うつ症状
現代社会のデジタル化やストレスの多い状況下において、ドライアイとうつ病は増加傾向にあり、若年層を中心として生活の質(QOL)が低下傾向にある。
研究グループの先行研究において、ドライアイの自覚症状がある人には危険因子となる生活習慣があることが分かった。またドライアイとうつ病は、共通危険因子としてホルモン・代謝・神経学的不均衡などがあることから、併発の可能性が考えられた。
そこで、iPhoneアプリ「ドライアイリズム」を用いて得られた対象者4,454名の医療ビッグデータから、ドライアイと抑うつとの関連を解析した。収集した個別医療データは、年齢・性別などの基本情報、病歴、生活習慣、ドライアイ疾患特異的問診票(OSDI)、自己評価式抑うつ性尺度(SDS)の5項目である。
対象者のうち、ドライアイ症状を自覚している人は74.0%(3,294名)、抑うつ症状を認めた人は73.4%(3,271名)であった。ドライアイ症状ありの中で、同時に抑うつ症状ありは78.8%(2,596/3,294名)に達した。
また、ドライアイの自覚症状が重症化するほど抑うつ症状も悪化傾向にあり、正常と比較して3.29倍も抑うつ症状を併発しやすいことが判明した。
今後スマートフォンアプリを用いたドライアイの自覚症状のモニタリングをすることで、抑うつ症状の早期予防・効果的介入につながることが期待できるとのこと。
(画像はプレスリリースより)

順天堂大学のプレスリリース
https://www.juntendo.ac.jp/news/別掲
https://prtimes.jp/main/html/