歯の喪失リスクと震災被害の関連性が明らかに
平成29年5月11日、震災による被害の度合いと歯の喪失リスクに関連性があることが、東日本大震災を被災した者を追跡調査し、分析したことで明らかとなった。
なお今回の調査及び研究に当たったのは、東北大学大学院歯学研究科国際歯科保健学分野の松山祐輔歯科医師、また相田潤准教授らによるグループだ。
歯の健康状態について被災前後を比較
被災することの健康への影響が長期化することは、従来より明らかとなっている。だが一方で、被災の前後における歯の健康状態についての研究はなされなかった。
そこで当該研究グループは今回、東日本大震災において特に被害の大きかった宮城県岩沼市に住む、65歳以上の高齢者3,039人を対象に追跡調査を実施したのである。また、これにより得られたデータを経済状況と家屋被害の2つに分類、分析し震災の前後を比較した。
震災被害及び経済状況の悪化が歯の喪失リスクを高める
これによると、被災により経済状況が悪化した群はそうでない群と比して8.1%、家屋被害群はそうでない群と比べ1.7%歯の喪失リスクが増大したのである。
結果、震災被害が大きいほど歯の喪失リスクが大きいということが明らかに、また災害による被災はPTSDやうつ等の精神的被害のみならず、口腔環境も悪化しやすいことも裏付けられた。
なお、当該研究は同年5月4日のAmerican Journal of Epidemiologyに掲載された。
(画像は東北大学より)

震災被害で歯を失うリスク8%増加 ~東日本大震災前後の被災者のデータ分析より~
https://www.tohoku.ac.jp/