炎症が脳細胞の生死、ひいてはうつに関連する
英国キングス・カレッジ・ロンドンの研究者は、血液の炎症が脳細胞の生死にどのように影響するかを解明、抗うつ薬開発のための新たな標的を提供できる可能性があることを10月11日発表した。
3分の1の患者でうつ病リスクを増やす高レベルの炎症
キングス・カレッジ・ロンドン精神医学研究所(以下 IoPPN)の研究で得られたエビデンスによれば、高レベルの炎症は少なくとも3分の1の患者でうつ病につながる重要な生物学的異常としてあげられるという。
これは炎症が新しい細胞の誕生を減少させ、既存の脳細胞の自然発生的死を加速することによるうつ病リスク増加の最初の証拠となった。
インターフェロン-アルファが鍵
神経細胞の発生は通常、うつ病や慢性ストレスにより減少し、その減少はうつ病の発症に臨床的に関連すると考えられている。
研究者らは、海馬で起こる神経細胞の発生についてその過程を調査した。海馬は、うつ病や抗うつ反応に関与する脳領域があることで知られている。
その結果、免疫系を活性化するたんぱく質インターフェロン-アルファ(以下 IFN-アルファ)が新しい脳細胞の誕生を減少させ、海馬内の脳細胞の死を増加させることが分かった。
研究者たちは4つの炎症性たんぱく質のレベルを調整することで、これらを実証した。この炎症性たんぱく質は免疫反応を活性化し、うつ病に関連する異なる脳機能を調節することで知られている
炎症を有する患者において有効な抗うつ薬になり得る
IoPPNのBorsini博士は、高レベルの炎症を有する患者において報告されている認知行動障がいは、IFN-アルファによる治療後に検出された脳の変化と関連する可能性があると話す。
さらにPariante教授は今回の成果について、これらのメカニズムをターゲットにした新薬が、特に高レベルの炎症を有する患者において、将来有効な抗うつ薬になり得ると考えている。
(画像はプレスリリースより)

キングス・カレッジ・ロンドンのプレスリリース
https://www.kcl.ac.uk/ioppn/news/キングス・カレッジ・ロンドン
https://www.kcl.ac.uk/index.aspx