歩数が大幅に減少
株式会社リンクアンドコミュニケーションは、東京大学大学院医学系研究科健康教育・社会学分野教室と共同で、コロナ禍における生活様式の変化について研究を行っている。今回、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言期間中の歩数の変化・生活習慣の変化とうつ傾向の慣例についての学術論文が発表された。
調査方法はAI健康アドバイスアプリ「カロママ」の利用者の歩数データなどを利用。分析対象者は3,324人。歩数の分析は、緊急事態宣言前(2020年1月1日~2月29日)と緊急事態宣言期間中(2020年4月7日~5月13日)を利用している。うつ傾向に関するアンケートは2020年4月30日から5月8日に行われた。
最初に緊急事態宣言前と宣言期間中の平日の平均歩数を比較してみた。男性は約1,200歩の減少、女性は約1,100歩の減少が見られた。外出自粛の影響で男女共に歩くという機会が大きく減ったことがわかる。
男女共にうつ傾向に?
緊急事態宣言の前後で生活習慣の変化とうつ傾向のリスクについてアンケート調査を実施したところ、男性は32.4%、女性は45.9%が緊急事態宣言期間中にうつ傾向であったことがわかった。
男性の場合は「仕事時間の増加」でうつ傾向のリスクが約3.3倍、女性の場合は「子育て時間の増加」「歩数の減少」の両方でうつ傾向のリスクが約1.3倍となった。
女性の歩数の減少がうつ傾向に関係しているのは、外出自粛の度合いや人との交流の減少が精神的な影響をうけてしまうことが見えてくる。
一方で「在宅ワークへのシフト」をした人は、うつ傾向のリスクが約26%低いという結果となった。今後も在宅勤務を勧めていくことは感染拡大防止・メンタルヘルス対策にも役立ちそうだ。
うつ傾向のアンケートについて、「この1か月間、気分が沈んだり、憂うつな気持ちになったりすることがよくある」「この1か月間、どうも物事に対して興味がわかない、あるいは心から楽しめない感じがよくある」のどちらか1つでも該当した場合「うつ傾向」と判断した。
(画像はプレスリリースより)

株式会社リンクアンドコミュニケーション プレスリリース
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