MHFAに基づく暫定版プログラムが良好な結果を得た
九州大学と岩手医科大学の共同研究チームは12月8日、オーストラリアで開発された「メンタルヘルス・ファーストエイド(MHFA)」を基に、一般企業社員向けプログラムを独自開発した。
2時間の暫定版プログラムを実施した結果、メンタルヘルス不調者へ対応するスキルと自信の向上を認めた、と発表した。
研究は、主として国立研究開発法人日本医療研究開発機構 (AMED)「障害者対策総合研究開発事業」の支援を受けて行われている。
一般企業社員が受講しやすい2時間暫定プログラムを作成
うつ病は、気分の落ち込み、意欲低下、身体症状などを引き起こし、日本の職場においても増加傾向にあることから、大きな社会問題になっている。
オーストラリアでは、メンタルヘルスの不調を抱える人に対し、家族、友人、同僚など身近な人が対処する「こころの応急処置」を実践的・具体的に学ぶ、12時間の教育研修プログラムMHFAが開発され、国民全体のメンタルヘルス向上に貢献しており、世界中に拡大しているとのこと。
共同研究チームは、うつ病患者に対するMHFAのエッセンスを基に、一般企業の社員が受講しやすい2時間の暫定プログラムを作成した。
暫定プログラムでは、うつ病に関する講義と、上司役とメンタルヘルスの不調社員役からなるシナリオロールプレイ演習を行う。
体験的に、MHFAの5つのステップ「り・は・あ・さ・る」が身につく教育研修プログラムである。
今回暫定版プログラムを会社員83名に実施した結果、受講者のアンケートから、特にメンタルヘルスの不調者へ対応するスキルと自信の向上を認めたため、プログラムが有効である可能性を示した。
今後は、開発した教育研修プログラムについて、職場でのうつ病の早期発見・早期介入・早期治療の有効性を検証する予定とのこと。
(画像はプレスリリースより)

国立研究開発法人日本医療研究開発機構のニュースリリース
https://www.amed.go.jp/news/release_20181208-01.html