うつ病の治療剤を発売
武田薬品工業株式会社とルンドベック・ジャパン株式会社は11月27日、「トリンテリックス錠10㎎、20㎎(以下トリンテリックス)」(一般名:ボルチオキセチン臭化水素酸塩)をうつ病・うつ状態を適応とする治療剤として発売した、と発表した。
臨床第3相試験で統計学的に有意に改善
臨床的うつ病としても知られている大うつ病性障害は、世界で約1億6,000万人、日本で約300万人(人口の約2.5%)が罹患している精神疾患である。
症状は、抑うつ気分、興味や喜びの著しい減退、体重の増減、食欲の変化、不眠や過眠、精神運動焦燥または制止、疲労感または気力の減退、無価値感や過度の罪責感などである。
武田薬品は、日本において成人大うつ病性障害患者を対象とした臨床第3相試験を実施し、ボルチオキセチン(トリンテリックス)がうつ病の症状をプラセボと比較して統計学的に有意に改善した結果を得た。これらの結果をもとに厚生労働省へ申請を行い、2019年9月20日製造販売承認を取得した。
トリンテリックスは、ルンドベック社の研究者により創製された治療剤である。セロトニン再取り込み阻害作用、セロトニン受容体調節作用など複数の薬理作用をもっている。
2013年9月30日、米国食品医薬品局(FDA)より大うつ病性障害成人患者の治療剤として承認された。その後、日本、欧州、カナダ、チリ、中国など84カ国で承認されている。
日本の薬価は、トリンテリックス錠10㎎が168.90円、トリンテリックス錠20㎎が253.40円。
(画像は武田薬品のHPより)

武田薬品工業株式会社のニュースリリース
https://www.takeda.com/ja-jp/